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源ベッド初の大阪POPUPでコスパ最高の国産マットレスを堪能してきた

わたくし収納マンはいつも取材先を慎重に選ぶようにしています。取材をお願いしておいてボロクソに書くわけにはいきませんし、かと言って記事にしないわけにもいかない。当たり障りのないことを書いてお茶を濁すことができる性分でもありません。つまり、私と相性が合うことが確信できる相手先でなければならないのです。

しかし、同じ家具業界でもベッドメーカーというのはどうも気質が違います。あくまで私の感覚ですが、木工家具メーカーが農耕民族的とすると、ベッドメーカーは狩猟民族的なのです。どちらが良い悪いという話ではなく、フィーリングが異なるのです。もっとも、これはメーカーの人間というよりは売場の人間に対する私の印象なのかもしれませんが。

ともあれ、その点で源ベッド(チヨダコーポレーション)に対しては、私が勝手に相性が良さそうだと感じていました。国産なのに安い。実直。飾らない。ウソもハッタリも言わない。

あくまで私が勝手にそう期待していただけなのですが、その源ベッドが初めて大阪で期間限定のポップアップストアを開設すると聞いて、私の心はトキメキました。「これは最初で最後のチャンスかもしれない!」と考えて行って参りました!

※この記事は2025年11月7日時点の情報に基づいています

源ベッド POPUP @大阪・日の本寝具

源ベッドPOPUP STORE @大阪・日の本寝具
期間2025年10月10日(金)~14日(火)※終了
場所大阪市中央区久太郎町3丁目4-17

源ベッド初の大阪POPUPは先日の3連休を中心に5日間の日程で開催されました。おそらく連休中は混みあって取材どころではないだろうと考え、最終日の平日にお邪魔させていただきました。

場所は心斎橋筋商店街に店舗を構える「日の本寝具」。最寄り駅は大阪メトロ御堂筋線または中央線の本町駅で、オフィス街でありながら家具や寝具のショールームも多いエリアです。

今回はアポなしにもかかわらず、幸運にも社長直々にご説明くださいました。

夜香ハイグレード2に驚愕!

源ベッド・夜香ハイグレード2・レギュラー on国産ひのき 曲面加工こだわりデザイン すのこベッド (型番:TCB231)

まずは事実上のベーシックモデルである「夜香(やこう)ハイグレード2」のレギュラータイプから。促されるままベッドの上に仰向けで横たわり、その姿勢で話をうかがいます。

立て板に水で説明してくださるのですが、まったく内容が私の頭の中に入ってきません。なぜなら私は話を聞くよりも、言葉を発したい衝動に駆られていたからです。

「え、ちょっと待って。これ私のためにオーダーメイドしたんじゃないかというくらい、抜群にフィットしてるんですけど!」

これまで数百台のマットレスを試してきた私ですが、ポケットコイルマットレスでこんなにジャストフィットな感触を得たことは一度もありません。コイルは適度なサポート力が感じられ、過不足なし。もちろん、沈みすぎたり硬すぎることもなく。表層のウレタンもちょうど良い感じに体のラインに沿っているのが分かります。

夜香ハイグレード2・ハード

源ベッド・夜香ハイグレード2・ハード on国産ひのき 畳ベッド (型番:DCB258)

次にその横のハードタイプも試してみました。身長179cm、体重70kgの私ですが、やっぱりちょっと硬く感じられます。レギュラーと比較すると、1cmくらいお尻が持ち上がるような感じです。

レギュラーは線径2.1mmのコイルがメインで、エッジに線径2.2mmのコイルを使っています。それに対し、ハードは全て線径2.2mmで、ウレタンも硬めのものを使っています。

ちなみに、ハードはブラック色になるというわけではなく、いずれの寝心地タイプでも2色から選ぶことができます。また、抗ウイルス&抗カビ仕様も選べます。

夜香ハイグレード2・ソフト

源ベッド・夜香ハイグレード2・ソフト on往華 OHKA |収納ベッド 2杯引出・コンセント付き

ソフトのコイルはメインが線径1.9mmで、エッジは2.2mm。私にはやはり少し軟らかく、お尻が少しばかり沈むように感じられます。横向けに寝てちょうど良いくらいの感じです。

内部構造は至って普通

夜香ハイグレード2はどうしてこんなに寝心地が良いのでしょうか。内部構造は至って普通で、いずれの寝心地タイプも基本的にはカバー生地の下に抗菌綿(テイジン・マイティトップ2)、その下にシートウレタン2枚、その下に平行配列のポケットコイルがあるだけです。

ウレタンフォームは国内大手メーカーの密度20D以上のものを使っているそうです。それは安心材料ですが、逆に言うとそれだけで差別化できるとは思えません。肝はやはりチヨダコーポレーションが自社で製造しているポケットコイルにあると容易に考えられます。

SWRH82BC種のコイル

源ベッドに使われているポケットコイルは日本国内の自社工場で作られています。線種はSWRH82BCで、この数字が大きいほど反発力が高いのですが、一般的に60~70台が多いところ、源ベッドは82。日本国内で最高クラスの硬鋼線と言えます。

コイル圧縮率34%

それと並んで影響が大きいであろうと考えられるのがコイル圧縮率の高さです。低価格のポケットコイルだと圧縮率が20%未満であることが多いですが、夜香ハイグレード2は34%で高い反発力と耐久性を得ることができます。

シンプルイズベスト!

ともあれ、そんなコイルのスペックも、自分を納得させるための屁理屈に過ぎないかもしれません。本質の部分は、「丹精込めて育てたお米を丁寧に炊き上げたら美味しいご飯ができました!」というのと同じことなのだと思います。

そして、構造がシンプルであることも、夜香ハイグレード2の素晴らしさを実感させることに一役買っている可能性があります。硬さによってウレタンの量や質が違うとか、詰め物の種類が違うとか、そこを頭で理解する必要がないため、すっと受け入れられるのです。

人気No.1☆咲夜レアル

源ベッド・咲夜レアル・フィット on国産ひのき 超頑丈設計 すのこベッド (型番:TCB245)

夜香ハイグレード2の素晴らしさに感激してしまった私はもうお腹いっぱい。もう帰っちゃおうかと思っていたところ、「咲夜(さくや)レアル」を勧められました。”人気No.1”となっていますが、実際にもっとも売れているのは夜香ハイグレード2よりも1万円ほど高い咲夜レアルだそうです。

夜香ハイグレード2は寝心地3タイプで、ソフト、レギュラー、ハードとなっています。咲夜レアルも3タイプですが、フィット、ジャスト、キープです。最初は意味が分からず戸惑いました。

1インチ長いコイルを使用

夜香ハイグレード2と咲夜レアルのポケットコイルの違い

寝心地3タイプの呼び方が異なる理由を説明する前に、夜香ハイグレード2と咲夜レアルの違いを説明しましょう。両者とも、基本的に詰め物は同じです。違いはまずポケットコイルです。

咲夜レアルには夜香ハイグレード2よりも1インチ(約25mm)長い6.7インチのコイルが使われています。圧縮率はほぼ同じなので、巻き数は2巻多い8.5巻となっています。

一般的にポケットコイルは高さが高いほど、ふかふかした寝心地になります。また、巻き数が多いほど力強い反発と言うよりは滑らかな反発になります。よって、夜香ハイグレード2の寝心地がしっかり支えてくれるイメージとするならば、咲夜レアルはやさしく支えてくれる感じと言えます。

「じゃあ、咲夜レアルのほうがソフトなのね?」と思われるかもしれませんが違います。静荷重に対してはどちらも同じように支えてくれるのですが、夜香ハイグレード2は動荷重に対して力強く反発、咲夜レアルはふわっと反発する感じです。

そのため、咲夜レアルは硬さをイメージさせるソフト、レギュラー、ハードではなく、敢えてフィット、ジャスト、キープという表現を用いているのです。

どれも肌触りはソフト

咲夜レアルのカバー生地(ポリエステル100%のニット生地)

まだ私の言っていることが分からないかもしれません。咲夜レアルは3タイプとも基本的にソフトな感触なのです。コイルがやさしく反発してふわっとしているだけでなく、カバー生地もニットで柔らかく感じられます。

なのに、これを「ハード」と呼んでしまうと、「違うくね?」となりかねない。そこで「キープ」と呼ぶことにしたとご理解いただければと思います。同様にソフト×ソフトで「フィット」、ソフト×レギュラーで「ジャスト」ということです。

私にはキープがぴったり

源ベッド・咲夜レアル・キープ on国産ひのき シンプルデザイン すのこベッド (型番:TCB235)

基本的に多くのものが「普通」でちょうど良い私ですが、咲夜レアルに関しては「キープ」がぴったりでした。もしこれが「ハード」という呼び方だったら、私は軽い拒否感を覚えていたことでしょう。

キープは私の寝姿勢がキレイなS字ラインになるようにコイルでしっかりと支えたうえで、コイルと詰め物で体圧を分散してくれるため、ハードなコイルでもお尻が浮く感じはありません。しかも、横向きで寝てもフィット感があります。

これは明らかに夜香ハイグレード2よりも上位の寝心地です。1万円ほど高くても咲夜レアルを選ぶ方のほうが多いということも納得できます。

しかしまあ、まんまとハメられた感じがしますね。「使ってる米は同じです。けれど先ほどのはガス釜で炊いたもの、こっちは備長炭で炊いたものです。どっちが美味しかったですか?」と言われたような感じです(苦笑)

まさかまさかの咲夜Noway!

咲夜Noway! on LUKA 流香 |すのこベッド 「PALM LOOP」 パームループ Apel 選べる2色展開 (型番:4-002)

続いて、「咲夜Noway!(ノーウェイ)」。社長がこれを試した瞬間、「Noway!(まさか!)」と感じたという逸話のある、ピロートップのマットレスです。

レビューを見ると「大手メーカーの高級品に匹敵する寝心地」などと書かれていますが、私の想像とはちょっと違いました。びっくりするほど寝返りが楽というか、寝返りするのが楽しいのです!

高密度&高弾性のウレタン

咲夜Noway!に使われている高密度&高弾力のウレタン

咲夜Noway!には高密度(48D)かつ高弾性(60%)のウレタンが使われています。ご覧の通り、まるでコンニャクのようにぐにゃんぐにゃんしております。もちろん、コンニャクのようにツルンとはしておらず、多孔質の発泡ウレタンです。

この上で寝たらどうなるかって、そりゃあクルンクルン寝返りができるわけですよ。「寝返りが楽にできる」と謳うマットレスは五万とありますが、こんなに寝返りが楽しいと感じたのは私は初めてです。かなり積極的に寝返りを促す感じだと私は思います。

咲夜レアルとの違い

咲夜Noway!咲夜レアル
形状ピロートップフラットトップ
片面/両面片面仕様両面仕様
表生地ニット(JUMPキルト)ニット
詰め物抗菌綿320g80g
ウレタン15mm+高弾性30mm15mm+20mm
厚み27cm26cm
寝心地ジャスト/キープフィット/ジャスト/キープ
税込価格71,990円~46,990円~

咲夜Noway!は明らかに夜香ハイグレード2よりも上位の寝心地です。一方で、咲夜レアルとの比較においては、単純にどちらが上という性質の商品ではありません。寝返りを積極的に促す感じが好みなら咲夜Noway!、そんなに寝返りしないというなら咲夜レアルでしょう。

咲夜Noway!も咲夜レアルと同じ6.7インチ&8.5巻のコイルを使用しています。ただ、咲夜Noway!は咲夜レアルの4倍の抗菌綿(マイティトップ2)を使ってニット生地をボリューム感のあるJUMPキルトで仕上げ、さらに厚みのある高弾性のウレタンを詰め物に使っているため、ポケットコイルよりもピロートップが寝心地に大きく影響します。

そういうこともあってか、咲夜Noway!は寝心地タイプの「フィット」がラインナップされておらず、「ジャスト」と「キープ」の2種類だけ。ピロートップがソフトなので、コイルの多少の硬さの違いは分かりにくいということでしょう。

咲夜Noway!は海老天丼
海老天丼・イメージ

メーカーとしては不本意な例えかもしれませんが、咲夜Noway!は言わば海老天丼だと私は考えます。備長炭で炊いた銀シャリが咲夜レアル。その上にプリプリの海老天が乗ったのが咲夜Noway!です。

最高に美味い銀シャリと言えど、海老天が乗ったら銀シャリの味は相対的に霞んでしまうじゃないですか。また、白ご飯だけを注文したら食事代は安く済むはずなのに、海老天をトッピングすると出費が大きくなってしまいます。

でも、海老天は美味しいですよね。いくら白米大好きの私でも、横で海老天を食べられたら、私も食べたくなってしまいます。一方で、甲殻類アレルギーの人は食べられないし、そもそも丼ものが好きじゃない人だっています。

つまるところ、咲夜Noway!は多くの方にとって素晴らしい寝心地だけれど、すべての人にとってそうだというわけではないということです。

咲夜Noway!は片面仕様

あと、大きな違いは咲夜Noway!は片面仕様、咲夜レアルは両面仕様ということです。両面仕様のほうが時々裏返すことで長く使うことができるのですが、咲夜Noway!は高密度のウレタンを使っているので10年程度の寿命、咲夜レアルは5年+5年で合計10年程度となり、ざっくりした話で言うと同程度の寿命と言うことができます(ただし設置場所や使用状況に左右されます)。

ちなみに、夜香ハイグレード2も両面仕様です。

という感じで、源ベッドの夜香ハイグレード2、咲夜レアル、咲夜Noway!をご紹介しました。

もうね、お腹いっぱいです(笑)良い素材を丁寧に扱ったらこんなに素晴らしいマットレスができるということを体全体で堪能しました。

もっとも、これが10万円以上の高級マットレスならここまでの感動はなかったと思います。国産なのに3万円台からというコストパフォーマンスが私の評価に大きく影響していることは間違いありません。

今回ご紹介したマットレスはいずれも源ベッドの看板商品です。国産ポケットコイルの素直な反発力を堪能したい方は夜香ハイグレード2を、ソフトで包み込まれるような寝心地を得たい方は咲夜レアルを、ゴロゴロと寝返りをして幸せになりたい方は咲夜Noway!をお選びいただければと思います。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
新居に引っ越した際に家族全員それぞれ異なるマットレスを購入し、その際の比較記事に手応えを感じたことなどから、ベッドに関するブログを立ち上げることにしました。詳しいプロフィールはこちら

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