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トッパーの下に敷く「ベースマットレス」の選び方とオススメ10選

家具販売店のベッド売場

ベッド用マットレスを購入する際、多くの方は1枚物をイメージすると思います。価格はシングルサイズで下は1万円くらいから、上は20万円を超えるものも珍しくありません。

あくまで個人的な印象ですが、20万円以上のマットレスなら誰が寝ても寝心地が良いんじゃないかと感じるくらいに良くできています。ただ、家具は良いものを買って欲しいと常々願っている私でも、消耗品であるマットレスにそこまで投資するのは厳しいと感じます。

そこで私が提案したいのは、マットレスを2枚重ねにする方法です。たとえばコイルマットレスはコイルそのものは10年以上の耐久性があるのに、表層のウレタンなどの詰め物の寿命はそれよりも短くなります。それならウレタンの部分をトッパーで賄って、傷んできたらトッパーだけ買い替えれば合理的です。

ウレタンマットレスでも低反発で厚み20cm以上となると高価ですが、たとえば厚み5cmの低反発の下に15cmの安価な高反発を重ねることでコストを抑えることができます。体圧を分散するための上の層にコストを掛けて、荷重を担い、傷むことが少ない下の層はコストを抑えるという戦略です。

しかしながら、トッパーはたくさん売っていますが、その下に敷くベースマットレスというのはほとんど売っていません。トッパーはあくまで今使っているマットレスの寝心地を改善するために購入するのであって、最初から2枚重ねを前提として購入する消費者は少なく、メーカーもそういう前提で商品を開発していないからです。

そこで今回は、ベースマットレスの選び方を説明したうえで、2万円以下で買える最適な商品をピックアップして紹介したいと思います。

※この記事は2025年8月29日時点の情報に基づいています

ベースマットを使う目的

ベースマットレスとトッパー

ベースマットレスの選び方を説明する前に、ベースマットレスを使う目的を整理しておきたいと思います。それは主に以下の3点です。

  • コスパ
  • 寝心地アップ
  • ボリュームアップ
コスパ

冒頭で触れた通り、トッパーとベースマットの2枚重ねにすることで、1枚物よりも安く済ませることができる可能性があります。また、トッパーがヘタってきたらそれだけを買い替えることで、長い目で見た場合もコストを抑えることができます。

費用面のリスクが少ないこともメリットです。マットレスを買ってみたものの自分に合わないと感じたときや、寝心地を変えたいと思ったときも、トッパーだけ買い替えれば済みます。

寝心地アップ

どんなマットレスや敷布団でも厚み10cm程度では底つき感が生じやすくなります。床や床板の硬さが体に伝わってくる状態です。

ベースマットレスを敷くことで底つき感を解消し、寝心地をアップさせることができます。そういった解決方法を理解することで、寝心地に大きく影響する上面のマットレス選びに集中しやすくなります。

ボリュームアップ

高級なマットレスほど厚みがあります。一方で、低価格のものは薄いため寝心地が悪いうえに見た目も貧相になりがちです。

ベースマットレスを用いることで全体の厚みが増して高級感が出ます。また、ヘッドボードの形状によっては理想的なバランスを実現可能です。

ベースマットの選び方

低反発ウレタンのトッパー+高反発ウレタンのベースマットレス

ベースマットレスを選ぶ際はどんなところをチェックすれば良いでしょうか。完璧に条件を満たす必要はまったくありませんが、概ね以下の6点を見ていただくと良いでしょう。

  • 手頃な価格
  • 耐久性が高い
  • 詰め物は薄め
  • 硬め
  • 通気性に優れる
  • 厚みは20cm程度まで
手頃な価格

トッパーとベースマットレスの2枚重ねを前提にすると、ベースマットレスの価格が手頃であることはとても重要です。2枚重ねで10万円を超えるようなことになったら、1枚物のちゃんとしたマットレスを買ったほうが良いかもしれませんからね。

あまりにも低品質なものは避けなければなりませんが、コストを掛けるならトッパーにウエイトを置いて、ベースマットレスはコストを抑えるようにしましょう。

耐久性が高い

トッパーがヘタった頃にベースマットレスもヘタってしまっていては、2枚重ねにした意味がありません。なので、耐久性はとても重要です。

ボンネルコイルやポケットコイルなら10年以上の耐久性があります。また、ウレタンなら高密度の30D以上を選ぶようにしましょう。30Dで5年以上、40Dで7年以上、50Dで10年以上と思ってもらって差し支えないと思います。トッパーと異なり傷む要因が少ないため、1枚で使うよりも長持ちします。

詰め物は薄め

ポケットコイルなどコイルマットレスの場合、表層にウレタンなどの詰め物が入っていることが一般的です。これがマットレス1枚で使うときに寝心地を大きく左右するわけですが、ベースマットレスとして使う場合は基本的に不要となります。詰め物が多いと、耐久性が落ちかねないだけでなく、寝心地を損なう可能性すらあります。もちろん、価格もアップします。

ただ、ベースマットレス専用の商品というのはほとんど存在しないため、詰め物が入っていないコイルマットレスは皆無です。コイルマットレスをベースとして使う場合は、できるだけ詰め物が少ないものを選ぶようにしましょう。

なお、安物のコイルマットレスのほうが詰め物が少ないと言える面はあるものの、品質的には不安があります。なので、できるだけ内部構造やコイルのスペックを表示しているものを選びたいところです。

硬め

ベースマットレスはコイルでもウレタンでも「硬め」と表示されているものがオススメです。ウレタンなら160N以上の高反発のものが良いでしょう。

なぜ硬めが良いかと言うと、体圧を分散させるのが目的のトッパーと異なり、ベースマットレスは荷重を担うのが目的だからです。型崩れしない程度にシッカリとサポートしてくれなければ、いくら寝心地が良いトッパーを選んでも台無しになってしまいかねません。

通気性に優れる

マットレスを2枚重ねにすると湿気が逃げ場を失いかねません。なので、ベースマットレスは通気性が優れたものを選んだほうが良いとされています。

その点で言うと、コイルマットレスは○です。ファイバーマットレスは◎ですが、厚みを求めると高価になってしまいます。ウレタンマットレスは△ですが、5年以上使った私の経験から言うとまったく問題ありません。

厚みは20cm程度まで

厚みは2枚合わせて30cmを超えないようにしましょう。基本的には合計20cm程度で十分です。一般的な1枚物のマットレスと同じくらいに収めれば良いということですね。ヘッドボードの高さとのバランスや、座ったときの高さが理想的な状態になるように組み合わせを検討してください。

オススメのベースマット10選

ウレタン

境木工/ウレタンマットレス 10cm 30D 220N
サイズ97×195×10cm
重量6.8kg
サイズ展開S / SD / D
特徴密度:30D、硬さ:220N
※サイズ・重量はシングルの場合(以下同)

それではオススメのベースマットレスを紹介して参りましょう。まずはウレタンマットレスから。

5年以上は使える密度30Dのウレタンマットレスは厚み10cmで7千円台から購入できます。ポケットコイルマットレスも同程度の価格からですが、ウレタンなら軽くて移動しやすいのと、処分が楽なことがメリットです。

境木工の「ウレタンマットレス 10cm 30D 220N」は厚み20cmタイプもあります。ちなみに、「D」はdensity(デンシティ=密度)の頭文字です。デニール(denier=糸の太さ)ではありません。

アキレス/リッチモデル高反発マットレス
サイズ97×195×14cm
重量12.8kg
サイズ展開S
特徴密度35D、硬さ:200N

アキレスの「リッチモデル高反発マットレス」はさらに高密度の35D。アキレスと言えばウレタンやゴム製品でとても信頼性が高いメーカーですよね。しかも日本製で厚み14cm。それが1万円くらいで買えたら超お買い得です。

GOKUMIN/プレミアム グランマットレス ストレート
サイズ97×195×10cm
重量6.5kg
サイズ展開スリム(80cm) / S / SD / D
特徴密度34D、硬さ:180N/250N
250Nは片面プロファイル加工

GOKUMIN(ゴクミン)の「プレミアム グランマットレス ストレート」は180Nのフラット面と250Nのプロファイル面の2層構造。重ね方を変えることで3パターンの寝心地を試すことができます。プロファイル面は通気性にも優れます。

密度は34Dなので耐久性も問題なし。ただ、こういう二層構造はベースマットレスとしてはちょっとオーバースペックかなと思います。

ポケットコイル

idream/トラモント
サイズ97×195×20cm
重量21.5kg
サイズ展開SSS / SS / S / SD / D
特徴コイル数:528個
線径:1.8+2.2mm
線種:SWRH-72BC
※コイル数はシングルの場合(以下同)

続いてはポケットコイルマットレスで、idream(アイドリーム、三燕)の「トラモント」。amazonでも割りと上位の人気です。

だいたいこの価格帯だとコイルの線種が表示されていないことが多いのですが、トラモントは丈夫なSWRH-72BCで安心。両サイド3列ずつのエッジサポート仕様で、縁に座ったときの沈み込みが少ないのもメリットです。コイル数もこの価格帯では考えられない500個以上となっています。

グランデ/ラフィネ2
サイズ97×195×16cm
重量不明
サイズ展開SS / S / SD / D / Q / K
特徴コイル数:465個
線径:1.8mm
線種:SWRH-72BC

グランデの「ラフィネ2」も線種はSWRH-72BCで丈夫です。そして何より詰め物に密度21Dのウレタンを5mmしか使っていないというのがベースマットレスとして最適です。逆に、これ単品で寝たらちょっと厳しいだろうなーと思います。

なお、線径は1.8mmで、エッジサポートもないので、かなりやわらかめな感じです。薄い(5cm以下の)トッパーを乗せる場合や、体格が大きい方は避けたほうが良いでしょうね。

ナカバヤシ/ブリーズ
サイズ97×195×10cm
重量17kg
サイズ展開SSS / S / SD / D
特徴コイル数:465個
線径:2.0mm
線種:SWRH-62B

フエルアルバムなどでお馴染みのナカバヤシは、2024年にカグクロから家具販売業のビッグスリーを買収&吸収合併しています。「ブリーズ」は張地に3Dメッシュを使うことで通気性が優れたマットレスです。密度25Dのウレタンを使用しています。

ベッドアンドマットレス/EN130P
サイズ97×195×20cm
重量21.2kg
サイズ展開S / SD / D
スモールシングル(60 / 70 / 80 /85)
特徴コイル数:480個
線径:1.8+1.9mm
線種:不明

ベッドアンドマットレスの「EN130P」は腰部をサポートする3ゾーン設計となっていることが最大の特徴です。また、密度20Dのプロファイルウレタンを詰め物に使っており、通気性が期待できます。

ボンネルコイル

グランデ/ボンジーア
サイズ97×195×15cm
重量13.7kg
サイズ展開SSS / SS / S / SD / D
特徴コイル数:不明
線径:2.2mm
線種:SWRH-67BC

続いてボンネルコイルマットレス。最近はポケットコイルが流行りなので選択肢は少なくなっていますが、ベースマットレスは体圧分散を考慮する必要がないので、面で支え、通気性にも優れるボンネルコイルは最適です。一方で、コイルが繋がっているため、解体する際はポケットコイルとはまた違った大変さがあります。

グランデの「ボンジーア」はこの価格帯としては珍しい密度21Dのウレタンを使っています。しかもウレタンの厚みは8mmしかないので、ベースマットレスとしては最適です。

三栄コーポレーション/ハードボンネルコイルマットレス 16cm
サイズ97×195×16cm
重量不明
サイズ展開SSS / SS / S / SD / D / Q
特徴コイル数:352個
線径:2.2mm
線種:SWRH-72BC

三栄コーポレーションの「ハードボンネルコイルマットレス 16cm」は密度20Dのウレタンと線種SWRH-72BCの丈夫なコイルを使用しており、この価格帯としては高品質です。

ニトリでもネット限定ながら、まったく同じ商品を扱っています(ボンネルコイルマットレス RM GY)。メーカー直販はお得ですねー。

GOKUMIN/ボンネルコイルマットレス 15cm
サイズ97×195×15cm
重量15kg
サイズ展開S / SD
特徴コイル数:352個
線径:2.2mm
線種:SWRH-70BC

GOKUMINの「ボンネルコイルマットレス 15cm」は密度30Dのウレタンを使っています。ただ、それだけにしては前述の三栄コーポレーションのマットレスと比較すると割高感があります。だいたいGOKUMINはコスパ良いとは言えないですよね。しかしながら、他にコレといったものがなかったというのが率直なところです。

以上、ベースマットレスの選び方を説明したうえで、2万円以下で買える最適な商品をピックアップして紹介しました。

ベースマットレス選びはそんなに難しく考える必要はありません。基本的にはコスパ重視で、畳よりは柔らかくてシッカリしたものを選んでもらったらOKです。ただ、あんまり安いものはトッパーと同時に買い替えなければならなくなったりしますから、スペックは確認しましょう。特に2万円以下でコイルマットレスを探すと、低スペックなものが多いです。

その点で言うと、密度の表示されているウレタンマットレスは無難です。硬さも数字(N=ニュートン)で表示されていることがほとんどですし、当たりハズレは少ないと思います。

ただ、密度30Dのウレタンマットレスでも5年を過ぎると劣化してきます。ベースマットレスとして使うにはほとんど支障はないものの、コイルマットレスのほうが耐久性の面では安心です。

そういう風に考えるとベースマットレスを選ぶのはやっぱり難しいなーと思いますが、今回ピックアップした商品を参考に最適なものを選んでいただければと思います。

ベースマットレスを選ぶのが難しいと感じる場合は、別売のトッパーが用意されているマットレスを選ぶというのも一つの方法です。

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この記事を書いた人
収納マン(芝谷 浩)

家具メーカーを退職後、2002年に収納スタイルコーディネーターとして独立。多くのご家庭の片づけの悩みを解決してきました。TVチャンピオン「収納ダメ主婦しつけ王」選手権で優勝するなどメディア出演多数。
新居に引っ越した際に家族全員それぞれ異なるマットレスを購入し、その際の比較記事に手応えを感じたことなどから、ベッドに関するブログを立ち上げることにしました。詳しいプロフィールはこちら

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