
近年、多くの自治体ではコイルマットレスをそのまま粗大ゴミとして出すことができず、処分料を支払って引き取ってもらったり、ユーザーが分解・分別してからゴミに出す必要があります。
地元の家具販売店で買い替える場合は購入したマットレスと引き換えに引き取ってもらうのがもっとも手間がなくて良いでしょう。しかし、遠方に引越しする場合や、新しいマットレスをネットショップで購入する場合は、前述の通りユーザー側で処分しなければなりません。
コイルマットレスを分解するには、表面生地を切り裂いてからコイルを取り出すだけです。ただし、生地は丈夫で簡単には切れませんし、ポケットコイルはひとつひとつが不織布の袋に包まれているので取り出すのが大変です。また、ウレタンなどとポケットコイルが接着剤でガチガチにくっついていたりするので、引き剝がすのも一苦労です。
一方で、最近は処分に際して分解しやすいように工夫されたマットレスが増えつつあります。まだまだ少数派ではありますが、今回は分解・分別・処分がしやすいマットレスをご紹介したいと思います。
※この記事は2026年1月8日時点の情報に基づいています
ポケットコイル
ニトリ/Nスリープ C2-05 EM
| 硬さ | ふつう |
|---|---|
| サイズ | 970×1970×220mm |
| サイズ展開 | S / SD / D |
| コイル数 | 450個 |
| 線種 | 不明 |
| 線径 | 1.8mm |
| コイル配列 | 並行 |
| 片面/両面 | 片面 |
| 荷姿 | 圧縮 |
| 製造国 | ベトナム |
簡単に分解できるポケットコイルマットレスに、おそらく今もっとも力を入れているのはニトリでしょう。「かんたん分別」対応商品は現在7モデル。ポケットコイルの不織布の袋にミシン目が入っており、簡単にコイルを取り出せるようになっています。
「Nスリープ C2-05 EM」はかんたん分別対応の売れ筋商品のひとつ。こちらは硬さがふつうですが、かための「CH2-02 EM」もあります。
源ベッド/夜香スタンダード3
| 硬さ | 不明 |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×180mm |
| サイズ展開 | S / SD / D |
| コイル数 | 465個 |
| 線種 | SWRH82BC |
| 線径 | 2.1mm |
| コイル配列 | 並行 |
| 片面/両面 | 片面 |
| 荷姿 | 圧縮 |
| 製造国 | 日本 |
源ベッドの「夜香スタンダード3」もポケットコイルの不織布の袋にミシン目が入っており、簡単にコイルを取り出すことができます。また、表地には特殊な縫製が施されており、剥がしやすくなっています。
こちらは日本製で、反発力の高い線種SWRH82BCのコイルが使われています。にもかかわらず、価格は前述のNスリープC2-05とほとんど変わらないどころか、場合によってはそれよりも安くなります。
インテリアオフィスワン/日本製 交互配列ポケットコイルマットレス
| 硬さ | かため |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×230mm |
| サイズ展開 | SS / S / SD / D / Q / K |
| コイル数 | 504個 |
| 線種 | SWRH82BC |
| 線径 | 2.1+2.2mm |
| コイル配列 | 交互 |
| 片面/両面 | 両面 |
| 荷姿 | 圧縮 |
| 製造国 | 日本 |
ネルコンシェルジュ(インテリアオフィスワン)の「日本製 交互配列ポケットコイルマットレス」はシングルサイズで税込39,900円。コイルなどのスペックから源ベッドが製造していると考えられます。よって、前述の夜香スタンダード3と同様に簡単に分解することが可能です。
こちらは夜香スタンダード3より25%ほど価格が高いものの、両面仕様なので理屈上は寿命が2倍になると言えます。かためがお好みの場合は特に、こちらのほうが良いんじゃないでしょうか。
ドリームベッド/ドリームリファインF1-P
| 硬さ | ソフト |
|---|---|
| サイズ | 970×1960×265mm |
| サイズ展開 | PS / SD / D / Q1 |
| コイル数 | 364個 |
| 線種 | SWRH82BC |
| 線径 | 1.9mm |
| コイル配列 | 並行 |
| 片面/両面 | 両面 |
| 荷姿 | 非圧縮 |
| 製造国 | 日本 |
ドリームベッドの「ドリームリファイン」も源ベッドの夜香スタンダード3と同様の構造で簡単に分解することができます。
ドリームリファインにはポケットコイルでソフトな並行配列「パラレルF1-P」、やや硬めの交互配列「ノーマルF1-N」のほか、「ボンネルF-4」もあります。
ボンネルコイル
ベッド&マットレス/EN102BN
| 硬さ | 不明 |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×170mm |
| サイズ展開 | 85SS / S / SD / D |
| コイル数 | 225個 |
| 線種 | SWRH72BC |
| 線径 | 2.3mm |
| 片面/両面 | 片面 |
| 荷姿 | 圧縮 |
| 製造国 | 中国 |
簡単に分解できるコイルマットレスと言えばポケットコイルのイメージが強いですが、ボンネルコイルにもあります。ベッド&マットレスの「EN102BN」は裏面のファスナーを開けて、コイルを簡単に取り出すことが可能です。
ただし、ボンネルコイルですからコイルは畳1枚ほどの大きさの板状です。さらに分解するには家庭用のペンチでは全く歯が立たず、ボルトクリッパーが必要になります。粗大ゴミとして出すことを前提にマットレスを購入する場合は、ボンネルコイルは避けたほうが良いでしょう。
高密度連続スプリング
フランスベッド/LT−5500S モアリーN
| 硬さ | ミディアムソフト / ミディアムハード |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×280mm |
| サイズ展開 | SS / S / SD / D / WD / Q |
| コイル数 | 392個 |
| 線種 | 不明 |
| 線径 | 不明 |
| 片面/両面 | 両面 |
| 荷姿 | 非圧縮 |
| 製造国 | 日本 |
フランスベッドは独自の環境配慮型分解システム「MORELIY(モアリー)」を開発しています。こちらはタグを引っ張ることで表地を簡単に剥がすことができ、スプリングを簡単に取り出すことが可能です。
ただし、ボンネルコイルと同様に、高密度連続スプリングを切断するにはボルトクリッパーが必要となります。この価格帯のマットレスを購入する方なら、地元の家具販売店で買い替えて引き取りをお願いするのが良いでしょう。
ウレタン
GOKUMIN/高反発2層構造グランマットレス
| 硬さ | かため |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×100mm |
| サイズ展開 | スリム80 / S / SD / D |
| 密度 | 34D |
| 硬さ | 180N+250N |
| 片面/両面 | 両面(フラット+プロファイル) |
| 荷姿 | 圧縮 |
| 製造国 | 中国 |
ぶっちゃけ、分解や処分を前提に購入するなら、コイルマットレスよりもノンコイルマットレスを選んだほうが無難です。1枚物でも厚み10cm程度なら巻いて紐で縛って粗大ゴミに出すことができる自治体が多いと思います。ウレタンはカッターナイフで適当な大きさに切り分けることも可能です。
3つ折りなどフォールディングタイプのマットレスなら敷布団と変わらない大きさで処分することができます。カッターナイフで切り分けるにしても作業が簡単でしょう。
なお、GOKUMIN(ゴクミン)の「高反発2層構造グランマットレス」は3つ折りウレタンマットレスの代表的商品のひとつとして取り上げただけで、特に分解などの面で工夫されているわけではありません。下のエアウィーヴのマットレスに関しても同様です。
ファイバー
エアウィーヴ/スマートZ01
| 硬さ | 不明 |
|---|---|
| サイズ | 970×1950×90mm |
| サイズ展開 | S / SD / D |
| 片面/両面 | 片面 |
| 荷姿 | 非圧縮 |
| 製造国 | 日本 |
ファイバーマットレスも基本的にはウレタンマットレスと同様に処分しやすいと言えます。ただし、ファイバーはウレタンよりも切断するのが難しいです。その点、3つ折りタイプなら切断する必要性は少ないと思います。
なお、ファイバーマットレスは一般的にウレタンマットレスよりも高価になります。比較的短期間のうちに引越しや買い替えを予定される場合は、ウレタンマットレスを選んだほうが合理的かもしれません。
以上、引越しや買い替えの際に分解・分別・処分が簡単なマットレスを8点セレクトして紹介しました。
改めて整理してみると、思ったよりも少ないなーという印象です。アイテム数を増やしているのはニトリだけで、ほかは開発したものの二の足を踏んでいる状態のように見受けられます。
実際のところ、ユーザーとしてはあまり必要性を感じていないのかもしれません。処分を前提とすればウレタンマットレスを選ぶ方が多いのでしょう。ヨーロッパでは環境保護の観点からウレタンマットレスを選ぶことが多いようです。
ちなみに、ヨーロッパでは法律でマットレスメーカーに回収およびリサイクルを強く求めており、解体しやすい設計を採用することでメーカー負担を軽減する仕組みもできています。日本ではまだ各自治体が自らの負担を減らすために市民に対して分解・分別を求めているに過ぎず、メーカーは積極的に取り組んでいるようには見えません。
私も処分を前提とすればウレタンマットレスのほうが好ましいと考える一人ですが、処分しやすいポケットコイルマットレスが増えて選択肢が広がればありがたいと考えています。今後の展開に期待したいところです。
関連記事















コメント