
先日、コイズミファニテックの商談会にお邪魔してきました。コイズミファニテックとは、学習机でお馴染みのコイズミです。しかしながら、以前からベッドも扱っており、2024年から新しく「Unixs(ユニクス)」というシリーズのマットレスを販売しています。
コイズミファニテックのマットレスと聞いてもピンと来ない方がほとんどでしょう。2024年に発売されたばかりの商品となればなおさらです。
今回、私も初めて実物を体感して参りましたのでご紹介したいと思います。
※この記事は2025年6月6日時点の情報に基づいています
コイズミファニテック/ユニクス

現在、ユニクスのマットレスには5モデルがラインナップされています。今回はそのうちの3モデルを実際に拝見しました。
左からスタンダード18cm厚の「KAS-486」、同じく21cm厚の「KAS-561」、トッパー仕様23cm厚の「KAS-453」。いずれもシングルサイズですが、セミダブルとダブルもあります。
楽に寝返りできるE-BOX配列
ユニクスは全てポケットコイルマットレスで、体圧分散性の高さをセールスポイントのひとつとして挙げています。イマドキそんなことはどこのメーカーも言っていることですし、ポケットコイルマットレス自体、体圧分散性が高いことがメリットです。
しかし、ユニクスのマットレスはすべてE-BOX配列を採用しています。E-BOX配列とは上図の通り、マットレスの外周と中央部にかためのポケットコイル、それ以外はやわらかめのポケットコイルを配置した構造です。このE-BOX配列と、使用しているコイルの硬さや組み合わせなどによって、寝返りの際に力が掛かる腰部が固く、肩回りがやわらかいことで、動きやすさを実現しています。
また、この構造により腰が沈み込まず就寝時の体の負担を減らすことができます。また、ベッドから転げ落ちにくくなるとともに、マットレスの縁に座ったときに沈み込みにくいというメリットもあります。
ちょうちん型コイルを使用
もうひとつ、ユニクスは全てのモデルにちょうちん型のポケットコイルを採用していることも体圧分散性を高めることに寄与しています。
ちょうちん型は一般的な筒型に比べて体に接する面積が少なく、複数の点で体を支えることでフィット感が向上します。また、体が沈み込む際は、最初はソフトに、より強い荷重が掛かると強く反発するという特徴があります。一般的に筒型よりも高コストです。
表面生地がふわっふわ!

今回ご紹介するユニクスの3モデルはすべて同じニット生地が表面に使われています。スプリングマットレスの表面にニット生地が使われることは多いのですが、ユニクスのものはふわっふわでとても肌触りが心地良いのです。シーツを掛けるのがもったいないくらい。
縫製がとてもシッカリ

ユニクスは縫製がとてもシッカリしています。マットレスの側面にハンドルが付いていないので、どうしても縁を掴むことが多くなると思いますが、とても頑丈に作られています。
ちなみに、側面には通気孔(ベンチレーター)が設けられていません。代わりにメッシュ生地が採用されており、通気性は十分に確保されるとともに、ホコリが外部から侵入する可能性もないと言えます。
ユニクス KAS-486

サイズ | W970×D1950×H180mm | |
---|---|---|
硬さ | ややハード(10段階中の7番目) | |
両面仕様 | ○ | |
コイル仕様 | 線径 | 1.7mm+1.8mm(熱処理加工済み) |
高さ | 150mm | |
巻数 | 6.5巻 | |
線種 | SWRH72B 硬銅線C種 相当 | |
個数 | 496個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 29,800円(送料込み) |
それでは3モデルを順番にご紹介して参りましょう。まずはスタンダード18cm厚のKAS-486から。
ユニクスは全てのマットレスに10段階の硬さチャートが表示されており、こちらはややかためとなっています。
実際に私(身長179cm・体重69kg・男性)が横になってみると、仰向けでの硬さはふつうという印象。横向きだと肩が沈み込まず、やっぱりややかためなのかなと感じました。敷布団からベッドにライフスタイルを変えることを検討されている方にオススメしやすい、多くの日本人にマッチする寝心地だと思います。
コイル高150mm
KAS-486の内部構造は上図の通りです。表面層にはポリエステル綿やウレタンフォームなどが使われているわけですが、ここで注目すべきはコイル高が150mmであることです。
KAS-486の厚みは180mmなんですよ。コイル高が150mmということは、それだけ表面の詰め物が少ないことを示しています。
もちろん、詰め物が少なければ良いというわけではありません。ただ、コイルと比較するとウレタンなどは耐久性が劣ります。密度が表示されていないウレタンは数年でペチャンコになってしまう可能性もあるわけです。なので、KAS-486は長く使っても数cm単位で厚みが失われることはないと言えます。
ちなみに、KAS-486は両面仕様です。上図を見ると底面には表面にポリエステル綿が入っていないので若干やわらかさに違いはあるものの、時折り裏返して使うことで長く使えるようになっています。
ニトリ「Nスリープ CH2-02 EM」との比較
サイズ | W970×D1970×H175mm | |
---|---|---|
硬さ | ハード | |
両面仕様 | × | |
コイル仕様 | 線径 | 1.8mm |
高さ | 100mm | |
巻数 | 5巻 | |
線種 | 不明 | |
個数 | 450個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | ベトナム | |
税込価格 | 29,990円(送料1,100円) |
ユニクスのKAS-486だけを見てもピンと来ない方がほとんどだと思うので、競合する商品と比較してみましょう。ニトリの商品で言うと、「Nスリープ CH2-02 EM」がもっともスペックが近いと思います。
Nスリープ CH2-02 EMは防臭・防ダニ・抗菌機能付き。また、処分時に分解しやすいようにポケットコイルの不織布にミシン目が入っている「かんたん分別」となっていることが特徴です。
一方で、KAS-486のように両面仕様にはなっていません。また、コイル高は100mmしかなく、その分ウレタンが多く入っており、ウレタンの耐久性に左右されるところがあります。さらに、E-BOX配列のようなゾーニングが施されていないため、どうしても腰回りが沈み込みがちです。
ナフコ「グランリーヴェST-301」との比較

サイズ | W970×D1950×H210mm | |
---|---|---|
硬さ | ふつう(5段階中の3番目) | |
両面仕様 | ○ | |
コイル仕様 | 線径 | 1.7mm |
高さ | 180mm | |
巻数 | 不明 | |
線種 | 不明 | |
個数 | 450個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 29,800円(送料1,500円) |
ユニクスのKAS-486と同じルービックJPの工場で作られているナフコ21スタイル「グランリーヴェST-301」と比較してみるとどうでしょうか。
グランリーヴェST-301はKAS-486よりも細い線径1.7mmのコイルが使われており、硬さはふつうです。両面仕様で、詰め物が相対的に薄いという点も似ています。
もっとも大きな違いは、KAS-486と異なりE-BOX配列が採用されていない点でしょう。グランリーヴェでE-BOX配列が採用されているマットレスを探すと、税込39,800円の「SH-703」以上のモデルになります。
ユニクス KAS-561

サイズ | W970×D1950×H210mm | |
---|---|---|
硬さ | ややハード(10段階中の8番目) | |
両面仕様 | ○ | |
コイル仕様 | 線径 | 1.8mm+1.9mm(熱処理加工済み) |
高さ | 160mm | |
巻数 | 6.5巻 | |
線種 | SWRH72B 硬銅線C種 相当 | |
個数 | 561個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 39,800円(送料込み) |
続いて、ユニクスのKAS-561を見てまいりましょう。こちらは前述のKAS-486よりも1段階かためとなっておりますが、詰め物が若干多めで、コイル高も10mm高いということで、私の実感としては硬さに違いは感じられませんでした。
詰め物だけでなく、コイル数も約13%多く、コストが掛かっているため、KAS-486よりも価格が高くなっています。
裏返すとややかためか
KAS-561も両面仕様となっていますが、KAS-486と異なり両面にポリエステル綿が入っています。一方で、ウレタンフォームは底面のほうが1枚少ないことから、理屈上は裏返すとややかためになります。
ナフコ「グランリーヴェSH-703-H」との比較

サイズ | W970×D1950×H230mm | |
---|---|---|
硬さ | かため(5段階中の5番目) | |
両面仕様 | ○ | |
コイル仕様 | 線径 | 1.8mm+1.9mm |
高さ | 190mm | |
巻数 | 不明 | |
線種 | 不明 | |
個数 | 570個 | |
配列 | 交互 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 39,800円(送料1,500円) |
ニトリにはユニクスのKAS-561と競合する商品が見当たらないので、ナフコ21スタイルの「グランリーヴェSH-703-H」と比較してみましょう。
グランリーヴェSH-703-Hは、ポケットコイルを可能な限り隙間なく並べる交互配列のため、同じコイル線径でもKAS-561よりかための寝心地になっています。なお、グランリーヴェSH-703には交互配列でコイル線径が細いややかためのR(レギュラー)も用意されています。いずれもE-BOX配列もしくはそれに近い配列となっており、腰回りの沈み込みもないです。
ほか、グランリーヴェSH-703にはベルギー・ベカルトデスリー社の高級生地を表面に使用。これについてはちょっとグランリーヴェのほうが良くできていると言えるかもしれません。
ユニクス KAS-453

サイズ | W970×D1950×H230mm | |
---|---|---|
硬さ | ふつう(10段階中の5番目) | |
両面仕様 | × | |
コイル仕様 | 線径 | トッパー:1.4mm ボトム:1.8mm+1.9mm(熱処理加工済み) |
高さ | トッパー:30mm ボトム:120mm | |
巻数 | トッパー:4巻 ボトム:6.5巻 | |
線種 | SWRH72B 硬銅線C種 相当 | |
個数 | トッパー:987個 ボトム:496個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 49,800円(送料込み) |
ユニクスのKAS-453は、ややかためのボトムマットレスの上に、ソフトなトッパーマットレスを重ねた仕様です。包み込まれるような寝心地ながら、しっかりと下支えしてくれます。2層構造で、トッパーには1千個近いインナーポケットコイルが使われているため、コストが掛かっています。
包み込まれるような寝心地

KAS-453のトッパーはポケットコイルマットレスなのに敷布団のようにやわらかいです。この寝心地は我が家で使っていた同じくトッパー仕様のナフコ21スタイル「グランリーヴェTS-400」にとても近いと思います。
あくまで私の印象ですが、グランリーヴェTS-400が羊毛布団のように弾力があったのに対し、KAS-453はふわっとした柔らかさがあります。たぶんこれは表面生地の違いによるところが大きいです。
東洋紡「シュレープ」などを使用
KAS-453のトッパーには表面層に保温性と保湿性に優れた東洋紡の「シュレープ」と、防ダニ・抗菌防臭中綿のテイジン「マイティトップ2ECO」が使われています。
詳しくは後述しますが、KAS-453の包み込まれるような寝心地は、このシュレープによるところが大きいと私は思います。
セパレートで使える仕様

KAS-453は片面仕様ですが、ボトムマットレスの上面も同じニット生地で、その下にはポリエステル綿とウレタンが入っており、普通にその上で寝ることができます。つまり、トッパーをゲストに使ってもらって、自分はボトムで寝るということも可能なわけです(ただしトッパー単体では底つき感が生じるので畳やカーペットの上に敷くことを推奨)。
我が家のグランリーヴェTS-400もボトムの上に寝れないこともないのですが、表面生地はトッパーと異なるうえ、表生地の下はウレタンとポケットコイルがダイレクトに感じられます。
ナフコ「グランリーヴェTS-401」との比較

サイズ | W970×D1950×H300mm | |
---|---|---|
硬さ | 表示なし | |
両面仕様 | × | |
コイル仕様 | 線径 | トッパー:1.4mm ボトム:1.6mm+1.8mm |
高さ | トッパー:30mm ボトム:180mm | |
巻数 | 不明 | |
線種 | 不明 | |
個数 | トッパー:987個 ボトム:496個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | 中国 | |
税込価格 | 49,800円(送料1,500円) |
ユニクスKAS-453をナフコ21スタイルの「グランリーヴェTS-401」と比較してみましょう。こちらは我が家で使っているTS-400の後継モデルです。
スペックで言うと、グランリーヴェTS-401はKAS-453よりも約30%も厚い30cmで、ボトムマットレスのコイル線径が細く、コイル高が高いということ以外はほとんど同じです。コイル数も価格も同じです。
ただ、我が家のTS-400にも使われていたシュレープがTS-401ではマイティトップ2ECOに変わったためか、TS-401は包み込まれるような寝心地ではなく弾力がまったく感じられなくなってしまっています。よって、TS-400のような極楽気分で眠りたい方には全力でKAS-453をオススメします。
ニトリ「Nスリープ プレミアムP1-02CR VB」との比較
サイズ | W970×D1970×H290mm | |
---|---|---|
硬さ | ふつう | |
両面仕様 | × | |
コイル仕様 | 線径 | 上段:1.4mm 下段:1.8mm |
高さ | 不明 | |
巻数 | 上段:6巻 下段:5.5巻 | |
線種 | 不明 | |
個数 | 上段:630個 下段:450個 | |
配列 | 並列 | |
製造国 | ベトナム | |
税込価格 | 49,990円(送料4,400円) |
トッパー仕様ではなく二層構造ですが、今度はニトリの「Nスリープ プレミアムP1-02CR VB」と比較してみましょう。我が家では旧モデルの「P1-CR」を使っています。
NスリープP1-02CRは上下段ともポケットコイルマットレスですが、ウレタンがたくさん入っています。そのため、硬さはふつうとは言え、かなりソフトな印象です。価格はユニクスKAS-453とほぼ同じですが、寝心地はまったく異なります。
以上の通り、コイズミファニテックのユニクスをご紹介しました。
特に、最初に紹介したユニクスKAS-486のコスパは素晴らしいと思います。腰が沈み込まないE-BOX配列で税込29,800円。しかも、ウレタンなどの詰め物の比率が少なく、両面仕様で、長期間の使用に耐えることが期待できます。
少し硬めが好みの方や、敷布団からベッドに変えることを検討されている方には特にオススメです。また、寝心地が合わなければ「トゥルースリーパー」などのトッパーで調節すれば良いと楽観的に考えられる方にも最適だと思います。
包み込まれるように眠りたい方にはトッパー仕様のユニクスKAS-453がオススメです。グランリーヴェTS-400を買おうと思っていたのにTS-401にモデルチェンジして寝心地がまったく変わってしまったと思われた方にもオススメしたいと思います。
KAS-453なら来客時に2枚に分けて使うこともできます。来客用布団の収納スペースに困っている方にも良いでしょう。

コイズミ学習机もご覧ください!

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